【NewsLetter210】家族会の はなはな

私は、約13年前九州ダルクの家族会に繋がった日、私の病名「共依存」である事を告げられました。

その頃の私達は、争いを避ける為に家を出て、途方も無い恐怖に襲われ、暗闇の中を手探りしながら、正気ではない行動を懸命に続けていました。そ んな折、熊本の施設長さんの言葉で、立ち止まり、歪んだ対応に気づかされました。それでも手を放せずにいた私達に、亡き中嶋さんは快く応じて頂き、息子に回復の方向を示して下さいました。

告白から5年の間、私達の出来る可能なことを全てやり尽した後、第一ステップの・・・無力の深い意味を理解し、変えられないものにしがみ付き、長引かせ、苦しませた事を詫びて、退院と同時に施設に繋がっていきました。

生死の分らない時期もありましたが、不思議と不安や恐れは薄れ信じて委ね「覚悟」ができました。

「全ての出来事は必然だ」と言っていた息子は、新しい場所で生かされています。家族会や自助グループを通して多くの方々に支えて頂きながら、「共依存」を認識し、手を出さず見守り続けています。苦しみから解き放たれ、自分と向き合いステップを進め、回復の経験を重ねられています。

長い間歩みを止めず通い続け、多くの気付きと、少しの勇気で変えられるものを一つひとつ変えていく日々の中、思いもよらない提案を受け、7年振りの再会。息子の顔は穏やかで、大きな力を与えられ、何かの為に生かされている様に感じました。こんなに早い時期にハグし、分かち合えたことは表しつくせない感謝と、何よりもそれぞれに回復の道は用意されていると実感いたしました。

毎月のように九州ダルク家族会に足を運んで下さる岩井さんからの実践的提案で、私達は、回復の一歩を踏み出せました。

そして繋がつて間もない頃、トキさんから「家族会と自助グループの手を放さなければ大丈夫」との言葉を信じて今があります。

病気の息子と私たちに、より良き人生をもらい、今日を生きて、私に勇気ある行動を示してくださった先 行く仲間の方、私もまた、私の経験を伝えて手を差し伸べられたらと願っています。

これからも家族会が良き場所であり、回復の場であること。

苦しい絶望の日から、これまでの全てが必要であり、今の私になるために続いていた道しるべでした。大きな力によって、関わって下さった皆様方に心より感謝申し上げます。

カテゴリー: 210号(2018年11月), ニューズレター タグ: , パーマリンク